誰でもない男
『言ったハズだ!
・・・簡単に口を
開くなと!』
『口先だけの男に
成り下がった
お前の言う言葉には
何の価値も
意味もない!』
NARUTO単行本コミックス巻ノ六十二
597話:時空間忍術の秘密p186より
みなさんご存じ、分かってんだよおじさん。リン大好きおじさんのセリフです。
NARUTOが連載中で最終回が近くなってクライマックスになっていく盛り上がりと共に大学時代が過ぎていきました。ちょうどこの時は就職活動か、卒論か、働くの嫌だなあとか俺内定もらったしとか、社会へ巣立っていく学生たちの声が、セミの鳴き声のように鳴きやまずにえんえん聞こえていた記憶があります。
その時僕はそんなに簡単に決めて良いのか?お前の将来、それでいいのか?と勝手に思っていました。僕は嫌でした。働くこと自体は嫌いじゃなくても、そうやって周りに流されていくように、生きていくことを決めたり、自分の道を決めたりして、そんなのって何か違うよと。その何かがその時はよく分からなかったのですが。
そんな中。この言葉。すごく印象に残りました。
僕の青春はいつの間にか、この童貞おじさんとクレイジーサイコホモで飾られていました(恐慌)
でもNARUTOのこの辺って、オビトの正体のくだりから(前からそうだったと思うけどより一層)メンヘラ思考すぎる・・・メンヘラ思考すぎじゃない?
最終的に健全な読者諸君がさっぱりついていけなくなったとかそうでないとか。少なくとも僕の周りにオビトくんのことを分かってあげられる、同情できるという人はいませんでした。
いや、これを分かっちゃう人ってたぶんメンヘラだと思うんですけど(自爆)
僕は、自分の進む道を決めようとしたときに、ちょうどこれを読んでいて、このセリフを大人にぶちまけてやりたくなりました。そういうあんただって希望があるような綺麗ごとを口にはするけど、自分の道はどうやって決めてきたんだって。NARUTOという作品の良いところのひとつはそういう“選択”することの意味って言うか、ひとりひとりの決断までのプロセスがきちんと、誰かの言うことが本当なのか、真実はどうだったのか?それを聞いたうえで、自分はどう判断するか、何を選ぶのか、と示されているのが本当に素晴らしい。
世の中、現実でそうやって判断できていることがいくつありますか?(小声)
この世の真実、事実、僕はまだまだ知らないです。
なんで働く必要があるんですか(無知)とか、なんで大学に行くんですかとか、そういう素朴な疑問に大人は真面目に取り合ってくれはしませんでした。
あなたの周りにいる大人って答えてくれましたか?
あの忘れもしない、大学3年生の夏。僕はそんなことを思いながらNARUTOを読んで、それに答えられる人になりたくて、勉強することを決心しました。でも僕はひとりぼっちで、そんなことを聞いてくる人がそもそもいないので、自分の疑問に答えるために勉強することにしました(自慰)。