人嫌い

本当の人嫌いとは、誰よりも人間に詳しい者のことを言う。

人のなんたるかを知らず
人の悪意も知らず ただひたすらに

人を遠ざけてしまったことで、逆に人のことを知らず、だからこそ、自分という概念をどんどん掘り下げていく一方で、自分以外の人と言う他者の概念を置き去りにしていった。
自分というひとつの人について一筋の光が曇り空の一点だけを力強く貫いてはいたが、しかし人というまだ先の見えぬ曇り空全体を照らすことには至っていなかった。

だから僕は失敗したのです。
理論は合っていた。思考法も身につけた。客観視も合理性も、その基礎は、基盤は身につけた。でも、人間のことを、自分以外の他者のことについてあまりにも無知すぎた。
自分以外の存在の、悪意や、思考や、思惑について、あまりにも遠ざけすぎてしまっていた。それ故に、頭の中では他者について理解していたとしても、それを実際に目の当たりにしたことはなく、むしろそれを自分から嫌いだと言って知ろうともしなかった。

頭でっかちさんですね。

でも今は不思議と人への嫌悪感が薄れてきたようです。20年そこらも、自分以外の存在のことを理解しようとしなかった。言い換えるなら、20年そこらたってようやく、他者の存在を受け入れることができはじめた。と。
なんたる自我の発達の目覚めか。
これで光と闇が合わさり、己の力を統合することで本来のパワーを発揮することができますね。

あまりにも人を遠ざけすぎれば、それは逆に人の現実を見ることから逃げることにもなる。